サルでもわかるラテン語講座3

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ラテン語はヨーロッパにおいてはカトリック教会の共通言語となった。聖書もラテン語訳が使われ、ミサも全てラテン語で行われた。ミサ曲等がラテン語なのはそこに理由がある。

ただ、それだけではなく、大学の発展により、大学内の著作・講義・討論全てラテン語でなされるようになった。近代に至るまで西洋の主要な学術上の著作がラテン語で書かれてるのはそのせいだ。

ギリシャ語とラテン語は人文系で西洋関連の勉強・研究を志す者にとっては必須の前提知識と言える。それは日本文学・日本史等を学ぶ者にとっての漢文と同様のものだと言えるだろう。


今回の本編

ラテン語の発音であるが、ローマ時代の古典発音と教会で使用される発音とにはかなりの差異がある。ヨーロッパ・カトリック諸国でラテン語が定着するうちに、その発音は土着言語に影響され、かなりの違いを生むに至った。同一テキストの演奏を聴いても、演奏団体が違うと発音が異なってるのはそのせいだ。日本では主にイタリア式発音を採用している団体が多数を占めている。実際の演奏ではその方が一般的だし、指導者も慣れている。

但し、この講座では実際にラテンを習得するのが目的で、そのためには古典発音で学習を進めるのが実は都合が良い。複雑な活用を覚える際、古典発音の方が何故そうなるのか納得しやすく、学習が容易になるからだ。そこで、合唱作品を歌うのが本来の目的だが、ここでは敢えて古典発音を採用する。また、直接関係はないが、第一次大戦後、欧米諸国では学校教育現場において、各国の慣行発音から古典発音に教授方法が変更された。以後宜しくお付き合い願いたい。


前回の付け加えがあったので、今回はこれまで、次回からはアクセントと発音の解説をする予定。

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