サルでもわかるラテン語講座4~発音編~

さて、今回は発音について。

文字は一字一音が原則。発音しない文字もない。所謂、ローマ字読みでよい。

注意点1.近代語と違う点はCが[k]、Gが[g]の音を表す。

例:Cicerō キケロー caecus カエクス(盲目の)

  gerō ゲロー 運ぶ gignō ギグノー 生む

注意点2.Sは常に清音[s]を現し、どんな時も濁らない([z]にならない)。

例:rosa ロサ バラの花 īnsistō イーンシストー 止まる

注意点3. Xは常に[ks]で、[gz]になることはない。

例:exerceō エクセルケオー 鍛える maximusマクシムス 最大の

母音:a,e,i,o,u,yの6文字で表す。そして、長母音・短母音の区別があるが、正式の表記では使わないのが建前。学習の便宜上、長母音にはĀ ā Ē ē Ī ī Ō ō Ū ūのように、長音符を付ける。

複合母音:ae, au, ei, eu, oe, uiの六つがある。

例: saeculum サエクルム 時代、世紀

Poena ポエナ 罰

aura アウラ そよ風

deinde デインデ ついで、それから

hui フイ ああ!(間投詞)

eurus エウルス 南東風

子音

1. Jは[y]、 Vは[w]の音を表す。

例: Juppiter ユッピテル(主神) Venus ウェヌス(愛の女神)

2. ph, th, chはギリシャ語の発音(強い息とともに発音する)を表すために使われるが、学習上は[p, t, k]と区別しなくても差し支えない。

3. Qは単独では用いられず、常にqu + 母音の形で現れる。

quam クワム どれだけ quō クヲー どこへ

4. 同様に、母音の前の ngu-, su- も[ngw][sw]と発音される。

lingua [lingwa]リングワ 言葉

Suēbī [swe:bi:]スウェービー(ゲルマン族の名前)

5.s,tの前のbは[ps, pt]と発音される。

  urbs ウルプス 都市 obtineō オプティネオー 保つ

6. 半母音jは母音の間に挟まれるとi+jと発音される。

mājor マイヨル より大きい pējus ペイユス より悪い

以上、ラテン語の発音について解説した。発音と綴りの乖離がほとんどないので読みやすい。次回はアクセントについて解説する。

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