サルでもわかるラテン語講座2 ~歴史編~

 ラテン語は元々古代ローマで使われていた言語だ。インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)に属し、ローマ帝国領の拡大に伴い、使用する地域が広がっていった。やがて、帝国領の縮小に伴ってローマ人は引き上げていったが、現地ではそれ以前から話されていた言語の影響を受けて独自の言語へと変容していった。これが現在ロマンス諸語と言われているものだ。フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語、そして、スイスのごく一部で使われているロマンシュ語がそれで、互いに語彙・表現・文法が似通っている。ラテン語を習得すると、以上の言語習得が容易になるのは言うまでもない。それと、フランス語を通して大量のラテン語系語彙が流入した英語もその一部と言えなくもない。また、他のゲルマン諸語・スラブ諸語にもカトリック信仰を通して抽象的概念を表す語彙、学術用語等が取り入れられている。知的水準の高い文章の読み書き、討論などを行う際の必須語彙だと言える。欧米系の分野、特に人文系学問を研究する者にとっては欠くべからざる言語だ。

以上で今回の文章は終わる。次回は発音編

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